「現代を取り巻く“ポピュラー・ミソジニー”とは何か？ その考え方が教えてくれること」（河野真太郎220602）

“男性同士の会話のなかで女性の容姿をあげつらうことで、「男同士の絆」を深めるようなシーンを想像してもらえるといいかもしれない”

自分から話さない所為なのか、ほとんど話題にした事はないけど、どのセクシャリティのコミュニティでも同じなのでは。男同士は特殊？

ポピュラー・フェミニズムへの反応としてのポピュラー・ミソジニー、というのはまああるっちゃあるんだろうけど、そもそも、男性が明らかな不平等を示すデータを無視して新自由主義的競争の苦しみをフェミニズムのせいにするのはミソジニーが根底にあるのじゃないか？

人権問題であったフェミニズムと、新自由主義に適応し「女性の社会的成功」に拘泥したポストフェミニズムをきっちり分ける補助線を引き、現代世間のミソジニーは後者への反感と。なるほど。

河野真太郎『新しい声を聞くぼくたち』（講談社）

納得のいく点が多い論考です。
対置されている「ポピュラー・フェミニズム」と「ポピュラー・ミソジニー」は、現代の人間観としての「メリトクラシー」（個人は専ら『能力』で評価されるはずだ、そうあるべきだという思考）を共通の土台にする、鏡像なのかもしれません。

ポストフェミニズム(ポピュラーフェミニズム、ネオリベフェミニズム)がポピュラーミソジニーをどんどん誘発していく地獄は、河野さんの記事に詳しく書かれている。ではどうする？ってことをそれぞれ考えなくてはいけない。『新しい声を聞くぼくたち』も読んでみたい。

>女性を人間主体として認めず、性的な対象へと切りつめ、男性同士のホモソーシャルな絆の間で流通させるようなあり方の全体がミソジニーの構造なのである

「すべてはモテるためである」の対談思い出した 女性の意思を尊重してるふりした聖母崇拝

読んだ。／

(続き) しかしこれはあくまでかつての状況で。ここで書かれているような「人権と平等は既に達成されている(そして自由は我々の所与だ)」という感覚とそれゆえに大バックラッシュが襲っている現在、特に日本の状況はどうかという問題になる。(続く)

「同じ状況を共有しているからといって、男性と女性が同じ経験をしているわけではない。男性がマジョリティであることは確かなこの世界で、経験のあり方にはやはり非対称性がある」

「「すでに男女平等は達成されている」「女性ばかり優遇されている」。こうした認識が一部において強い説得力を獲得する社会とは、いったいどのようなものなのだろうか」→

"「すでに男女平等は達成されている」「女性ばかり優遇されている」。こうした認識が一部において強い説得力を獲得する社会とは、いったいどのようなものなのだろうか"

この記事面白かった。フェミニズム、ポストフェミニズムの流れ、「女好き」もある種のミソジニー、男性同士の連帯の出来なさとか。視点がいろいろ整理された。

現代デジタルでミソジニーについて、というと江原由美子氏の の記事の方が読んで参考になったけどな。ひねりを利かせるのが目的化してない？

ミサンドリーやラディカルフェミニズムには触れないんだな。
それに女性専用車両のくだりで男性専用車両に反対する連中の意見出さないのなんで？

文学ってこういうことのなかと思わず笑ってしまった。

おや、ちょうど女性専用車両の話が出てたのか。

「すでに男女平等は達成されている」「女性ばかり優遇されている」。

わかりやすくて勉強になった

「男女平等はもう達成されている」というポストフェミニズム／ポピュラー・フェミニズム状況を前提に、男性がフェミニズムによって「傷」を受けている(逆差別だ等)と感じ反動する新しい「ポピュラー・ミソジニー」

河野真太郎氏「女性を人間主体として認めず、性的な対象へと切りつめ、男性同士のホモソーシャルな絆の間で流通させるようなあり方の全体がミソジニーの構造なのである」

これは興味深かった。
「女性車両が理解できない類の人」と話していて、そもそもの土台に「男女差別は存在していない」という認識があるんだなと実際に感じた。これは差別全般に通じるかも

読んだけど最後の一文がよくわからないな。それはマスキュリズムでもあるだろ。

できない人にとっては、ありもしない現状維持を目指してるから難題。課題がそこから。

“ 自らの主体を調整して適応させる「強さ」を持った男性と、それができない男性との間の階級分断。”

ん、でも単なる利己主義の延長線上にある概念を全部ミソジニーで括ってるようにも思えるな。大抵の動機は倫理でも憎悪でもなくて利益だってことをどっち側も表に出さなさすぎなのでは。

興味深い。一定の納得感もある。

話の整理がスマートで言葉の選び方が適切なので、非常に読みやすかった！傷を無かったことにされたり、ない傷に構うことを良しとされたりする分断はあまりにキツい。

「学生たちの女性専用車両に対する反応と、昨年の8月6日に小田急線の車内で発生した無差別傷害事件で、犯人が「幸せそうな女性を見ると殺してやりたいと思うようになった」と衝撃的な供述をしたことの間には、何か遠く響き合うものを感じないではいられない」

そのような思想から、ポピュラーミソジニーが生まれます。

「現代のミソジニーは、市場で活躍する女性ばかりを讃えるポスト・フェミニズムのイメージに対する反動として起こっている。」

まさにコレだ。市場で活躍できる能力を持つ女性を無能なミソジニー男達が徹底的に潰しにかかってくる。

でも、コップの中の嵐なんだね、コレは。

要は「在日特権を考える市民」と同じである。「過剰に守られエスカレーターで上昇できるマイノリティ」という妄想的なイメージを抱き、差別心を不平等への正当な怒りだと勘違いしたまま凶行に走る

>男女の平等はもう達成されている、それどころか一部の女性たちは、男性たちを従属化させている新自由主義の競争社会を勝ち抜いて輝いてさえいる──そのような社会のイメージはもちろん、かなり一面的なものだといえるだろう（たとえば、男女の賃金格差を参照してほしい）。

「カテゴリー(純粋知性概念)を翻弄するか、感性によらない直観の客体に与える名など存在しない事を理解させるかだが...。お好きなように。」

ふむふむ

読んだ：

疲れているので頭に入ってこないけど、資本主義的な商品として選ばれる価値観が男女にも転化してる気はする。男女ともにその価値観を内面化しているというか。その価値観を捨てれれば良いけど、たぶんかなり難しい。

“ 一部の男性はそのような非対称性を見るのではなく、この世界を男女平等がすでに達成された社会として了解し、反応するのだが、それは苦しみの真の原因を別のものへと転嫁するルサンチマン的な反応になって”

「ポピュラー・ミソジニー」という言葉にこれだけ多様な論点が内包されるのか。学びが多い。「ポスト・フェミニズム」、「新自由主義」、「(政府主導の)女性活躍推進法」までつながるパースペクティブ。

女性専用車両は社会的経済的な女性差別ではなく犯罪からの事前予防という側面が強いので根底（女性蔑視）で繋がってても直接的な差別問題ではない。でもあえて言うなら「男性差別」ではなく「女性差別」だよ。

＜ポピュラー・ミソジニーの何が新しいのかと言えば、現代のミソジニーがそのような（市場で活躍する女性ばかりを讃える）フェミニズムのイメージ／藁人形に対する反動として起こっていることなのだ＞

フェミニズムに反論するものはすべて「ミソジニー」と片付けられないようにしたい。この世には女性差別も男性差別もある。むしろ表裏一体なのだから。

所謂「レッドピル」を飲んだ「彼ら・彼女ら」に「女性中心主義(Gynocentric)でミサンドリーな社会こそ正義」と宣うこの感じ。リベやフェミの望む先にある姿。女性と奴隷しか居ない社会('A`)

財務省式縁故資本主義と新自由主義を勘違いしている時点で既に論理が破綻している。

女性専用車両は決め手となる痴漢防止策がない中の苦肉の策なんだよな。勝間和代みたいな猛者が出現がいるからと言って性犯罪防止に協力したくないなんてどれだけお子様なんだ。

ポストフェミニズム的状況に自らの主体を調整して適応させる「強さ」を持った男性と、それができない男性との間の階級分断。新著到着が楽しみ。

人を憎んだり恨んだりすることをできるように出来ているのは何故か？それを抑制するにはどうしたら良いのか？/分析に面白さは必要なくこの分析は迂遠にしか見えない。本質的な分析をするべきではないのだろうか。

少なくとも私が学生だった20年近く前にはもうこういう感じの話は出ていて風潮もあり、だから「まとまってる〜わかる〜」みたいな気持ちで読んだ。納得感。
ラストの「その全てを変えていくことこそが、フェミニズムの問題なのである」の一文には気が重くなったけど……

新自由主義を目の敵にして連呼する割に悪平等や規範的パターナリズムの肯定もしないふんわり優しい記事だった

5ページ: "…ポピュラー・ミソジニーの何が新しいのかと言えば、現代のミソジニーがそのような（市場で活躍する女性ばかりを讃える）フェミニズムのイメージ／藁人形に対する反動として起こっていることなのだ"

> 新たなポストフェミニズム的状況に自らの主体を調整して適応させる「強さ」を持った男性と、それができない男性との間の階級分断。
---

「女性を人間主体として認めず、性的な対象へと切りつめ、男性同士のホモソーシャルな絆の間で流通させるようなあり方の全体がミソジニーの構造なのである」

マンスプやらポピュラーミソジニーやら、カタカナ英語で重箱の隅をつつくような言葉遊びに終始してるから世論から見放されるのよな、この界隈の人たち。

ジェンダーについての自分の理解をアップデートしてくれる良記事だった。なぜ女性専用車両に反発する男性がいるのか、保守政党の自民党がなぜ女性活躍を唱えるのか、男性間の分断の深刻さなど、全てなるほど!という感想。

こちらの記事と鴨志田ひよさんのブログを勝手に脳内で繋げただけだが。

omorokatta

ポピュラー・フェミニズムは、女性は性差

冷静で客観的な分析が鋭い良記事でした。
どういう側の人も読む価値あります。

「大学でジェンダーやフェミニズムについて教えていると文字通りに必ず、100%の確率で学生から返ってくる反応がある。それは「女性専用車両」についてである」

後でよむ

手際よくまとめてる／女性専用車両。性的な区別が不要な状況で性的な区別をするのは差別。必要な状況で性的な区別をする（例、更衣室）は合理的区別。問題は通勤電車が性的な区別が必要とされる場になっていること。

女性を人間主体として認めず、性的な対象へと切りつめ、男性同士のホモソーシャルな絆の間で流通させるようなあり方の全体がミソジニーの構造なのである。男性同士の会話のなかで女性の容姿をあげつらうことで、「男同士の絆」を深めるようなシーンを想像してもらえるといい

メモ： ＞大学でジェンダーやフェミニズムについて教えていると文字通りに必ず、100%の確率で学生から返ってくる反応がある。それは「女性専用車両」についてである

ポピュラー(ポスト)・フェミニズムとポピュラー・ミソジニーの図式。
そしてポピュラー・ミソジニーにおける男性同士の分断。

面白かった。

“ポピュラー・フェミニズムとポピュラー・ミソジニーの図式” →

(男女)平等競争原理なんだろと思った職場で、メンタリティも構造も旧来の男根主義的である現実に直面して、腰抜したアレを思い出した。
良い解説(^^

＞女性を人間主体として認めず、性的な対象へと切りつめ、男性同士のホモソーシャルな絆の間で流通させるようなあり方の全体がミソジニーの構造

にも書いた日本はすでに男女平等だと思われてるし、女性専用車両は逆差別だと思われてる現象について詳しく書いてある〜👀

いろいろ目から鱗というか「あ、なるほど」となる記事

この記事を肯定的にツイートしているTRA学者はどうやって頭の中の整合性を保っているのかかなり不思議

あとで読む。

ジェンダーの平等から、ジェンダーの公平に要求が移り変わっているにも関わらず，ペストフの三角形的に平等を司る政府への要求という行動が変わらない事が齟齬の要因では。あまり面白くない記事だった。

“女性を人間主体として認めず、性的な対象へと切りつめ、男性同士のホモソーシャルな絆の間で流通させるようなあり方の全体がミソジニーの構造なのである”

１３００人委員会の一人が語る「ポピュラー・ミソジニー」

「男女平等はもう達成されている」「むしろ女性は市場で活躍している」というイメージ、こうしたポストフェミニズム／ポピュラー・フェミニズム状況を前提に、男性がフェミニズムによって「傷」を受けている(逆差別だ等)と感じ反動する新しい「ポピュラー・ミソジニー」

そうだな現状ってこうなんだよな、と思う一方で、最後の《その全てを変えていくことこそが、フェミニズムの問題なのである。》には、とっさに首肯しかねる。

ここではインセルの概念抜きのポストフェミニズムからの説明だけでフェミサイドを捉えているので、なんとなく不十分な感じがする。記事は著書の抜粋だからだろうか。

特に小田急線殺傷事件とポストモダンフェミニズムを結びつけるの説得力にかけるかな:

ポスト/ポピュラー·フェミニズムと、ポピュラー·ミソジニー。こないだつぶやいたモヤモヤがちょっとすっきりした。

男性間の分断、気になってたので早く本を読み終えたい。

「 「すでに男女平等は達成されている」「女性ばかり優遇されている」。こうした認識が一部において強い説得力を獲得する社会とは、いったいどのようなものなのだろうか。」

面白かった。
男性間の階級分断の解除が必要で、その構造を変えていくことこそフェミニズムの問題、とする結論部が多分河野さんらしいところで、私はそこでいつも決定的に河野さんと感覚がズレるし、それが興味深い（私にとってそれは「フェミニズム」の優先課題ではない）。

『一部の男性はそのような非対称性を見るのではなく、この世界を男女平等がすでに達成された社会として了解し、反応するのだが、』→

表裏一体のポピュラー・フェミニズムとポピュラー・ミソジニー。後者は一部の男性も対象とする。新著も早く読みたい！

"女性を人間主体として認めず、性的な対象へと切りつめ、男性同士のホモソーシャルな絆の間で流通させるようなあり方の全体がミソジニーの構造なのである"

読んでる |

こちら、書かせていただきました。新著『新しい声を聞くぼくたち』の中心概念のひとつであるポピュラー・ミソジニー。従来のミソジニーと何が違うのかを簡単に解説しました。

河野真太郎さんに書いていただきました。ミソジニー＝女性嫌悪の現代的な形態である「ポピュラー・ミソジニー」とはどういうものなのか、解説してくださってます。授業でジェンダーの話をすると、学生から「女性専用車両は逆差別だ」という反応が出るというエピソードや→

小田急で起きたフェミサイドと評された傷害事件などの具体例からはじめて、そうした事態が生まれてしまう社会の認識のあり方について、ポピュラー・ミソジニーのニュアンスを生かして考察していて、とても興味深いです。

「女性の幸福」＝「自分の不幸」なのは「女性を幸福にできなかった男性の自責」で「過剰な責を男性に求める社会」がそれを生む、ちゃんと社会を読もう

》

｢女性専用車両は男性を排除するものであり，それは ではなく ことだと思う。本質をなんとかしないと収集がつかない時期に来ているような気がする

ミソジニーとは何か。それは女性嫌悪、もしくは女性蔑視と訳され得る。

河野真太郎「大学でジェンダーやフェミニズムについて教えていると文字通りに必ず、100%の確率で学生から返ってくる反応がある。それは「女性専用車両」についてである。」